ダニアレルギーの舌下免疫療法が5歳以上から保険適用に。効果、費用、副作用は?

ダニアレルギーの舌下免疫療法が5歳以上から保険適用に。効果、費用、副作用は?

2018年6月2日の読売新聞の社会面に、「ダニ免疫療法5歳から」との記事が。

2015年から12歳以上の患者に保険適用となっていたのですが、今回はその対象年齢を「5歳以上」に引き上げるというもの。

アレルギー症状に悩まされている子供に受けさせた方がいいのでしょうか。

どんな症状の時にこの治療の対象となるの

ダニアレルギーの主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。

スギやヒノキの花粉によって引き起こされる花粉症は春先だけに症状が出るので「季節性アレルギー」と分類されるのに対して、「通年性アレルギー」とも呼ばれます。

年間を通じて同じように症状が現れるとも思われがちですが、秋に症状がひどくなることが多いようです。

というのは、ダニアレルギーは生きたダニが原因で起きるのではなく、ダニの死骸・フンを吸い込むことによって起こるから。

ダニが繁殖しやすいのは、気温が25~30度前後、湿度が60以上の高温多湿の場所を好みます。

そして人間のフケや皮脂、食べかす、カビを養分として繁殖。

個体差もありますが、ダニの寿命は約2カ月です。

梅雨ごろから夏の終わりにかけて大繁殖したダニが、秋になると大量の死骸となってアレルギーを引き起こすのです。

秋にアレルギー性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まりを起こしやすい原因物質として「ブタクサ」があります。

同じような時期に、同じような症状に悩まされるので、ダニアレルギーをブタクサアレルギーと間違えやすいので要注意。

まずは医療機関を受診し、血液検査によってアレルゲンがダニだと特定されてから免疫療法を始めることができます。

ダニアレルギーの舌下免疫療法はどんなもの?効果は?費用は?副作用はある?

ダニアレルギー舌下免疫療法とは?

ダニアレルギーの舌下免疫療法は、治療薬の錠剤を舌下に置き、1~2分間口の中で溶けるのを待ってから飲み込むもの。

初回はアナフィラキシーショックが起きた時に対応するため、病院で投与し30分ほど経過を観察しますが、その後は自宅で行います。

これを毎日1回、年単位で行います。

一般財団法人日本アレルギー学会「ダニアレルギーにおけるアレルゲン免疫療法の手引き」には、この治療の実施法として❝少なくとも2年間毎日連続して投与可能であること❞とあります。

WHO見解書では、3~5年を目安とすることが推奨されています。

ダニアレルギーの免疫療法には、アレルゲンを注射により投与する皮下免疫療法もあります。これはアレルギーの抗原(この場合はダニ)を少しずつ量を増やしながら注射していく方法です。通院は最初は週に1~2回程度で、その間隔は徐々に長くなり、最終的には1~2カ月に一度程度の通院で済むようになります。対象年齢は病院によって差がありますが、5歳以上としているところが多いようです。対象者全員が保険適用になります。

この治療のデメリットとしては、注射による痛みを伴うということがあげられます。予防接種をとても嫌がるお子さんにとっては、治療を始めてしばらくは頻繁に注射を打ちに病院に行かなければならず、とても苦痛に感じてしまうかもしれません。また、数千回に1回というごく稀な頻度ではありますが、舌下免疫療法よりは副作用として全身に症状が出る場合が多いようです。もっとも、命にかかわるような重篤な副作用は現在のところ報告されていません。

メリットは、病院に行った時のみの処置で済むということ。治療費が抑えられるという面もあります。病院によって大きく差があるのではっきりとしたことは言えませんが、3割負担で1回につき1000円前後のところが多いようです。治療が進み1~2カ月に1回の通院で済むようになれば、医療費は目安として年間3600円~7200円ほどに抑えることができます。

治療に効果が認められる人の割合は、舌下免疫療法と同程度です。

全員に効果ある?

服用を始めてから効果が出るまで、少なくとも数カ月はかかると見込まれています。

この治療でダニアレルギーが完治する人は大体2割程度。

その他、完治とは言えないが症状が改善したり、現在使っているアレルギーの薬を減らすことができるなどして治療の効果が認められる方が大体6~7割。

残念ながらちゃんと薬を服用したにもかかわらず効果がない方も1~2割いらっしゃいます。

舌下免疫療法の費用はどのぐらいかかるの?

医療機関によってバラつきがありますが、3割負担で月2300円~3500円のところが多いようです。

年額にすると、3~4万円になります。

子供に受けさせるべき?

舌下免疫療法を子供に受けさせるメリット、デメリットを両方よく吟味することが必要です。

メリット

  • 現在行われている治療の中で、免疫療法がダニアレルギーが完治する可能性のある唯一の治療法です。免疫療法には舌下免疫療法の他に、アレルゲンを注射によって体内に注入する皮下免疫療法とがあります。
  • 舌下免疫療法、皮下免疫療法ともに開始年齢が早いほど効果が出やすいと言われています。
  • 自治体によって対象年齢が異なりますが、子供の医療費助成を受けることができると医療費を大幅に抑えることができます。
  • 自宅で無味無臭の薬を服用するだけなので、子供が嫌がることは少ないでしょう。
  • 舌下免疫療法の副作用は皮下免疫療法より出にくく、また軽いと言われています。
  • 免疫療法を受けた人や、受けて治療が終了した人は、今後別のアレルゲンに感作される可能性が低くなります。

デメリット

  • 効果を感じられるまでに時間がかかり、また、効果が全く出ない人もいます。
  • 毎日忘れずに子供に薬を飲ませるのは、習慣になるまでは大変です。症状が治まっても、医師がもう服用しなくてもいいと診断するまでは勝手に中止することはできません。何年も毎日服用し続けなければなりません。
  • 子供への処方は始まったばかりなので、症例数はまだ多くはありません。。

まずは体をアレルゲンにさらさないようにすることが一番大切。

免疫療法を受ける、受けないにかかわらず、できるだけ住環境からダニを除去することが大切です。

特に寝具はダニが好む環境がそろっているので、適切に管理することがポイント。

ダニは50度以上で死滅するので日干しや布団乾燥機の使用は有効ですが、ダニアレルギーの原因はダニの死骸なので、その除去まで気を配りましょう。

20秒/㎡ぐらいの時間をかけて、念入りに布団に掃除機をかけると効果的です。

布団を洗うとダニの死骸が水と一緒に流れ出るので、布団の水洗いもおすすめ。

最近では布団を洗えるコインランドリーや、布団を丸洗いしてくれる業者などもあるので、秋に思い切って利用してみるのもいいかもしれません。